カメラの設定

カメラを買ったら、初期設定をどう変更すればいいのか。

 

そんなコツをまとめました。

 

ものすごく基本的で大事な設定。

せっかく一眼レフを使っているのに、画像品質をSとかにしてる人がいます。高画質のカメラを買っても意味がありません。

 

初期設定ではダメなのか?

 

初期設定は、万人向けにカメラメーカー面倒くさくないように設定しています。購入者が勉強しなくても、適当に使えるように設定されています。

 

でも、写真家として上達するには一眼レフカメラのことを勉強するはずです。

少し勉強すれば、使いやすくて「いい写真」が撮れる設定があります。

 

いい写真が撮れなくて悩んでいるあなたの解決の糸口は「カメラ設定」にあるのかもしれません。


《カメラ設定》

 

ステップ0(コンパクトデジカメ段階)

 

  1. 記録画質はJPEGのL(最高画質)
  2. Pモード(全自動で絞り・シャッタースピード)
  3. ホワイトバランスはAWB(全自動)

 

 写真撮影に慣れていない人は、カメラの操作をできるだけ自動化してたくさん撮影できるようにするのがベストです。

 

 

 

 


ステップ1(一眼レフ初心者向け)

 

  1. 記録画質は「JPEGのL(最高品質) + RAW」 にする。
  2. 色空間はAdobe RGBにする。(sRGBより色数が増えて豊かな階調に)
  3. ISO感度は100、暗い時には800。最新型なら3200ぐらいでもOK。
  4. ホワイトバランスは晴れマークで固定。(後でパソコンで調整する)
  5. Avモードにする。(絞り優先モード)

 

このステップではRAW現像が大前提です。

 

 カメラ内のJPEG画像では以下の問題があるので、カメラで撮影するJPEG画像はプレビュー用だと割り切ってください。

 

  1. 20MBほどあるデータ情報が圧縮されて半分以下の情報しか残っていない。
  2. JPEGデータは後で修正すると画像が壊れる。
  3. カメラ内のJPEG現像は、コテコテの化粧がされていて本当の絵ではない。
  4. 必ず、ホワイトバランス、露出、色がずれている。
  5. 微調整をすると画像が壊れる。

 

 

 一眼レフが必要な写真づくりに気づいてください。画質や後で現像仕上げすることなど、自動ではできない手動のための設定があります。

 

 デジタル写真では、撮影時に完成形の写真をつくることはできません。

(フィルムの時代はフィルム自体が色を決めていたので、色に関しては自由度がありませんでした)

 一見、きれいに見えているJPEG画像は、実はカメラ内で自動的に現像仕上げをしたコテコテの加工画像です。

 また、色も、RAWよりも明らかに少ない数しかありません。

 

 露光した光のデータをそのまま保存した「RAWデータ」を自分で調整してJPEG画像にする「現像」作業が必要です。

 

 (「デジタル現像」はモノクロ写真時代の暗室作業とよく似た作業です)

 

 

→ デジタル現像の方法

→ デジタル現像と画像加工はちがう

 

 

 

 


ステップ2(カメラに慣れてきた)

 

  1. オートフォーカスは中央の1点にする。
  2. 連写モードにする。
  3. 段階露出(AEB)にする。

 

 この段階では、数枚の作品となる可能性のある写真を撮るために膨大な試行錯誤と撮影枚数が必要になることがわかってきます。

 

 パソコンでは、普通の保存の仕方では、1000枚以上を何年分も管理して選らんだり、仕上げを何回を試行錯誤したりすることが難しくなってきます。

 

 そこで、写真の保存から現像、プリントまでを一貫管理できる写真家用のソフトウエアが必要になります。

 現時点では、Lightroomというソフトがそれです。各社から類似の目的をこなすソフトは開発販売されていますが、ここ5年間ぐらいで勝負は終わった感があります。

 

 2014年現在で写真家に必要なソフトをひとつだけ選ぶとすれば、デジタル現像ソフト「Lightroom」だといえます。

 

 

→ 写真現像ソフトのLightroom

 

 


ステップ3(カメラの機能を使いこなし)

 

  1. オートフォーカスは中央の1点にする。
  2. 連写モードにする。
  3. 段階露出(AEB)にする。(1/3段階で3枚、5枚、7枚)

段階露出だと、明るさを

 

 「2/3,-1/3,0,+1/3,+2/3」

 

の5段階で撮ることができます。

 

この機能は「ブラケット」「段階露光」などと呼ばれ、「連写」と一緒に使います。

 

 下の写真は、花を取っていますが、5段階の露出で撮影しています。

 

  •  露出を変えることで同じ明るさと同時に発色も変化していることがわかると思います。
  •  またマクロ撮影ではきっちりとピントを合わせることが難しいので、数枚のカットで一番よいピントのものを選びます。
  •  ほぼ同じようなカットでも、後で間違って削除したりした場合のバックアップとして残します。

 

 背景のボケ具合は撮影時に確認して決めることが難しいので、いろいろな絞りや構図を全部撮影します。

 

5枚のうちに一番いい色味が出ている写真を採用します。もちろん、後は削除。


 デジタルカメラでは、フィルムカメラではできないような撮り方が可能です。

しかし、「昔の常識とはちがうやり方」も、「よい作品づくり」に役立つのであれば利用するべきだと思います。

 

「少ない枚数で上手に撮る」そんな人はプロでも実はいないと思います。

 

 同じカットでも、構図や露出や機材をいくつも変えて、試行錯誤して徹底的にやりつくして一番よい作品を選んで、仕上げていくという作業が必要だと思います。

 

 特に、デジタルカメラでは撮影の後すぐに背面液晶画面で確認できるので何回でも試行錯誤が現場で可能です。

 

 連写、段階露出などの機能は有効に使えばよいと思います。

 

 


ファインダーと背面液晶でよい写真かどうかを確認できるか?

 

それはできないと思います。

 

  • ファインダーの画像は小さすぎる。
  • 液晶画面は解像度が低い。
  • ファインダーの色は本当の色ではない。

 

 全部にピントが合ったような絞り込んだような写真は記録写真では通用しますが、作品表現としては一般的ではありません。

 

 特に、日本人の写真作りはボケ表現を駆使するところに美しさを感じるという特殊性があります。これは、海外では「Bokeh」といわれ日本オリジナルの表現として知られています。

 

 現像時に大画面モニタで確認するしかない撮影結果を現場でどうやって確認するのかは、別の機会に紹介します。

 

→ 撮影時の撮影結果の確認の方法