この度、出展者 古谷彰男は9月5日(土)~9月23日(水・祝)、西宮市北山緑化植物園 展示コーナーにおいて、叙情的写真作品の展示、『印象派』花の写真展 妖精たちのリリシズムを開催します。
新しい写真芸術の世界をめざし、西宮市北山緑化植物園を中心に撮影した60点以上の作品を展示します。
「聞こえるかな? 妖精たちのささやきが・・・」見る人の想像力を刺激するファンタジックな世界にいざないます。
【展示テーマ】 「聞こえるかな? 妖精たちのささやきが・・・」
【写真作品の特徴】
今回の作品群においては、極めてアナログな人間の感情をゆさぶる写真表現を、新しい撮影技法で取り組んでいます。「レンズ」は絵筆であり絵の具、「カメラ」はキャンバスと考え「光で描く」作品づくりを行っています。目には見えない「感情」を光で表現する「叙情的写真」です。
異次元の空間表現「マジカル・ボケ(magical bokeh)」、レンズとカメラで生み出したドラマチックな光の描写をお楽しみください。※コンピュータの加工ではありません。
タイトル :『印象派』花の写真展 妖精たちのリリシズム
期間 :9月5日(土)~9月23日(水・祝)
展示会場 :西宮市北山緑化植物園 展示コーナー
メッセージ :光の印象を描いたモネ、ルノワール、色の魔術師ゴッホが写真を撮ったとしたら?
聞こえるかな? 妖精たちのささやきが・・・
出展者 :写真作家 古谷彰男 (ふるたにあきお)
宝塚市在住。モネ、ルノワールなどの光を描く印象派絵画に影響を受け、花の叙情性を表現する写真作家。宝塚市・(公財)宝塚市文化財団主催「第58回宝塚市展」写真部門 佳作入選。第4回宝塚西谷フォトコンテスト 最優秀賞。
写真作家 古谷彰男が取り組む作品づくりは、その特徴において19世紀の新芸術運動『印象主義』の影響を受けています。100年以上前の印象派画家の絵画の「光の表現」と写真の「レンズ効果による光描写」には密接な関係があるのです。
【リリシズム(lyricism)】
叙情性、叙情詩的な趣。「叙事的写真」は客観的「事実」を表現するのに対し,「叙情的写真」では主観的体験や思索に基づく内的「感動」を表現します。
【印象派絵画と写真の関係】
19世紀の後半に、モネ、ルノワールなどの印象派画家によってアートの歴史は変わりました。「印象派絵画」は、光をとらえ、鮮やかな色彩を用いて、大胆なタッチで描かれました。写実主義の絵画がハッキリした描写で「ストーリー」を伝える一方、印象主義の絵画は、眼の前の光景の「印象(感動)」を、柔らかで繊細な「光の描写」で伝えました。実は、この作品展は1874年フランス・パリの写真館ナダールで開催されており、印象派絵画と写真とジャポニスムは歴史的に密接な関係があることがわかります。
【光を描いたモネ、ルノワール】
1840年に生まれたクロード・モネは、第一回印象派展で出品した「印象・日の出」が話題となり、当時はデッサンもできない画家と揶揄されました。しかし、その後のアートの世界を一変させたことはまちがいありません。1983年からジヴェルニーの自邸で描き続けた「睡蓮」の大作のためにパリのオランジュリー美術館は作られました。日本では、大山崎山荘美術館、直島の地中美術館などにあります。1941年に生まれたルノワールは、モネの友人で、数多くの花の絵画作品があります。
【色の魔術師 ゴッホ】
1853年に生まれたゴッホは、1986年にパリに出て印象派を知り、その後「アルルの跳ね橋」「ひまわり」「夜のカフェテラス」など印象派絵画を次のステージへと発展させました。対象をそのまま描かない(脱写実)ことはもちろんですが、科学的な色研究を土台にした、補色(赤と緑、青と黄色、紫と黄色など)の対比によって見る人の印象(感情)をコントロールします。それが「色の魔術師」たるゆえんです。
【近代日本画との関連性】
浮世絵によってジャポニズムの影響を受けた印象派絵画は、その後近代日本画にも影響を与えました。明治時代に日本に入ってきた、いわゆる「西洋絵画」は印象派の流れです。例えば、近代日本画を産んだ東京美術学校(1887年創設、現、東京芸術大学)の第一期生である横山大観、菱田春草などの独自画法「色彩点描画法」「無線画法(朦朧体と揶揄された)」とも関連があります。
以上